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2024年の観光庁、地域観光新発見事業「大分の食と交流体験~Farm to Table体験ツアー造成事業」

  • 執筆者の写真: Heute Editorial Team
    Heute Editorial Team
  • 3月21日
  • 読了時間: 6分



「Farm to Table」(農場から食卓へ)とは、生産者と近い距離にある消費者へ、環境にも配慮したサステナブルな食材を届ける、日本の地産地消のような食の取り組みです。 2010 年代にアメリカ西海岸から始まり、アメリカ全土へ広がりました。日本でも食の意識の高い方たちに知られつつありますが、広くは認知されていません。


大分県の由布院で、2023年に開業した自家農園を持つ上質なオーベルジュ『ENOWA YUFUIN』があります。シェフは、「Farm to Table」実践店として名高い、ニューヨークのミシュラン二つ星レストラン『ブルーヒル・アット・ストーンバーンズ』で副料理長を務めたタシ・ジャムツォさん。シェフ自ら農園作りに携わり、生き生きと育った野菜を収穫しては、ディナーの一皿一皿へと昇華させています。


『ENOWA YUFUIN』で、宿泊者は農園での収穫を体験することができ、まさに「Farm to Table」を丸ごと体感することが可能です。また『ENOWA YUFUIN』では、大分の地で育まれる多彩な食を知り、生産者と交流し、「縁の輪」を培うことも目指しています。


本事業では、『ENOWA YUFUIN』による大分県内の生産者と連携した大分版「Farm to Table」への最初のステップとして、宇佐市の焼酎蔵、ワイナリーと連携。生産地への観光周遊を通して、観光コンテンツとなる「Farm to Table」体験ツアーを造成・実証いたしました。3回開催したモニターツアーの様子を、ここでご紹介いたします。



テーマは、「自家農園を持つオーベルジュで体験する

Farm to Table と大分の地産地消を堪能する旅」



2024年11月から12月にかけて、モニターツアーを3回実施。大分県の全国から20名超の方がお越しくださいました。「ENOWA YUFUIN」で受付後、JR由布院駅の裏手にあるENOWAファームへ。まずハウスの中で、ファーム担当者から、収穫される野菜の解説がありました。テーブルの上にはファームの野菜が彩よく並べられ、参加者の目を輝かせました。



用意された長靴に履き替えて、いざファームへ。ここからタシ・シェフがリードします。5種類もあるケールをそれぞれつまんで食べたり、何色もある可愛らしいにんじんを土から引き抜いたり、野菜に触れ、味わい、収穫して、1時間ほど土の上で過ごしました。最後に、ハーブのゼラニウムの葉を摘み、ハウスの中で温かいENOWA特製ハーブティーに入れて香りを楽しみました。


冷たい雨が降って寒い日もありましたが、由布岳の前に大きな虹がかかった日もありました。モニターツアー参加者の皆さまは、野菜に触れ、土に触れ、ファーム担当者たちと交流し、心から楽しんでおられる様子でした。



ファームで手にした野菜が料理に変わる

目で、口で、自然の豊かさを味わうTable 体験


日が暮れて、タシ・シェフの料理を堪能する「Table体験」のスタートです。前菜は、ENOWA内のハーブガーデンにあるバーカウンターにて、立食で。食前酒には、宇佐市安心院町の縣屋酒造の麦焼酎「安心院蔵」を使った焼酎カクテルを提供。ENOWAのバーテンダーが本ツアーのために考案したオリジナルカクテルです。大分の地産地消を堪能するテーマに合わせ、カボスなど大分の旬の味覚を使っています。



ディナー会場は、ハーブガーデンからレストランへ移動。料理に合わせて、ENOWAのソムリエが選んだのは、安心院葡萄酒工房のスパークリングワイン赤。ブドウ品種は工房の畑で育った「小公子」です。ファームの野菜たちが華やかに姿を変えて次々と供され、デザートまで全12品が供されました。




おなかが満たされたら、心にもおいしいものを

サプライズ演奏「源流太鼓」「baobab」


Farm to Table 体験でお腹が満たされたら、心にも…と、ディナーの後に、ミニライブのサプライズをご用意しました。モニターツアー1回目の11/21、2回目の11/28は、由布院で1979年に発足した「源流太鼓」が登場。国内外からオファーがあり、国立劇場「日本の太鼓」や伊勢神宮「日本太鼓祭」にも毎年出演する由布院の誇りです。メンバーは日々本業や学業の後、鍛錬を重ねています。力強い太鼓の響と圧巻のパフォーマンスが披露され、モニター参加者もスタッフも、大きく心揺さぶられました。




3回目の12/21は、大分県杵築(きつき)にある「カテリーナ古楽器研究所」を拠点に、全国で演奏活動をする「baobab」。クリスマス間近の夜に、やさしい古楽器の音色と女性ボーカルの清らかな声に包まれて、まるで教会で讃美歌を聴いているような、美しく特別なひと時となりました。



ツアー2日目は、宇佐市安心院町へ

創業300年の老舗「縣屋酒造」で焼酎試飲


翌朝は、チェックアウトを済ませて、「ENOWA YUFUIN」から貸切バスに乗り込み宇佐市安心院町へ。最初に尋ねたのは、1712年創業の大分県最古の酒蔵「縣屋酒造」です。本ツアーのための特別な試飲体験を、15代目重松佳那さん等がご用意くださいました。


焼酎の工場で、杜氏の西澤世行さんが工程を解説。実際に使われる麹も味見させていただきました。さらに西澤さんは、大きなタンクの上に登り、できあがってまだ一週間ほどの焼酎を取り出しました。その2種類、常圧蒸留と減圧蒸留の味の違い、また一年寝かせたものなどを店舗に移動して試飲。麦焼酎の味わいや変化など、西澤さんの解説とともにたっぷりとお楽しみいただきました。



また、歴史ある「縣屋酒造」には、明治や大正のさまざまなものが残されています。外壁にはこの土地特有の「鏝絵(こてえ)」が施されており、漆喰で立体的に描かれた縁起物を多くの方が興味深そうにご覧になっていました。



ブドウ畑から工場見学、特別試飲まで

「安心院葡萄酒工房」バックヤードツアー


縣屋酒造からバスで5分ほど移動して、九州を代表するワイナリー「安心院葡萄酒工房」へ。通常行われている試飲付きガイドツアーではなく、バックヤードツアーと特別ワイン試飲を、設定いただきました。


工房長の古屋浩二さんが、ワインショップの裏手に広がるブドウ畑で、栽培やこの地で育つ品種について説明し、ふだん入れない工場内で製造工程を案内してくださいました。さらに紅葉の庭を抜けて、ワイン倉庫へ。倉庫内で、ワイナリーを代表するスパークリングワインを紹介され、ボトルの口をスパッと切って開栓。さらに白、赤と合わせて5種類ほどの試飲を堪能できました。



由布院産の牛乳の味を堪能

「由布院チーズ工房」フレッシュチーズ


ワイン試飲の後、「安心院葡萄酒工房」内の東屋「安心庵(あじあん)」へ。そこで待っていたのは、「由布院チーズ工房」のチーズ職人・浦田健治郎さん。実は、2009年ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテストで農林水産大臣賞を受賞した方。塚原高原の牧場でのびのび育った牛のミルクから、丁寧に作りあげるチーズは全国で定評があります。ここで、浦田さんが、30分ほどで味わえるフレッシュチーズ作りを披露。出来立てならではの爽やかな風味を全員で楽しみました。



食を愛する者同士で語らう

交流ランチパーティ


モニターツアーの最終行程は、タシ・シェフや生産者の方々との交流を楽しんでいただこうと企画した、ランチパーティです。テーブルには、「ENOWA YUFUIN」のアイデアで用意されたバスケットが。蓋を開けると、シェフお手製のクロワッサンのサンドイッチやかぼちゃサラダのランチボックス。さらに浦田さんのコク深いチーズが並び、安心院葡萄酒工房のワインから最上位の極果シリーズが供されました。



タシ・シェフの、味はもちろん目にも楽しい料理とフレッシュチーズ、特別なワインの登場に、会場の賑わいは尽きません。今回のモニターツアーには食を愛する方々が参加され、生産者やシェフと「おいしいとは、何か?」について、会話が弾んだひと時も。


最後に、「ENOWA YUFUIN」の水岡支配人やタシ・シェフから、モニターツアーに参加いただいたことへの感謝と、また大分の食と土地の豊かさを味わいに、再訪していただきたいと想いを込めてご挨拶。モニターツアー参加者、生産者、ENOWAスタッフの全員で記念撮影をして帰途へ。JR由布院駅と「ENOWA YUFUIN」で解散し、全行程を終了いたしました。





 
 
 

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